三食昼寝ブログ

脳梗塞の母/精神不安の嫁のリハビリを経験。それでも楽しく生きる三食昼寝ブログを書いていきます。仕事/人付き合い/絵を描く/食事/猫/三食昼寝ブログが大好きです。

脱サラ農業転職で儲かるのは【農作業しない農家】です。

注)2018.9.9に題名と内容を一部変更しました。

【先に結論】

今の農業で成功するためには『売り方』が大事です。農業大国の茨城県が五年連続で魅力度ランキング最下位になったのも、野菜や卵、畜産品の『売り方』が下手だからです。そして「高橋一生は嫌いだが、高橋一生の人付き合いの上手さは見習う」のブログで、『人付き合いの上手さ』も見習ってください(笑)。スーパーマーケットの店舗は増えても消費者人口は減少しています。売り先はどんどん探して増やさないといけませんし、そのための『人付き合いの上手さ』も学ばなければいけません。「私の作った米や野菜、畜産品が一番美味しい」という農家は多くても、他の農家が作った米や野菜や畜産品と食べ比べた農家は少ないのではないですか?勘違いしている農家が多いのですが、儲かる【農作業しない農家】は売り先の要望を聞いてから、作る農作物や畜産品を決定し商品化しています。農作業してから『売り先』を探し始める農業では、いくら補助金がもらえても農業への転職は難しいです。

f:id:nacyupa:20180908180506j:plain

【日本の農業を支えている人たち】

私は高校時代に部活で、日本の農業について考えました。その活動を通して、生産者と消費者の双方から農業の話を聴くことが出来ました。 そして、日本の農業の置かれている現状を知るとともに、私たちの創意工夫と努力によって農業に明るい未来を切り開くことが出来るのだと教えられました。

この体験がきっかけとなり、私は「将来の職業は農業しかない」と感じました。 部活動の中で出会った生産者と消費者の方々の貴重なお話が、我が家のカセットテープに大切に保存されています。

【農家さん】

農家にホームステイした時のことです。 私は早起きして、農作業を手伝いました。夜間に冷やされ、甘くなったトマトには朝露がたっぷりついていました。

「いつもこんなに早寝早起きするのですか。」と、私が尋ねます。

「そうだなぁ、寝不足が続いたら仕事にならないなぁ。早寝早起きは子供の頃は嫌だと思っていたが、仕事に就くと、これは人間の理にかなっていると分かるよぉー。」と、農家さんは返事をします。

トマトの収穫期なのに、まだ昼。夕方迄まだまだ時間はたっぷりある。 「農作業はこんなに余裕があるのですか。」と驚く私に、

「うん、毎日こんなペースだよ。農作業は仕事に追われるようじゃダメだなぁ。仕事を追うようじゃないとダメだ。篤農というのは優秀な農家のことだが、仕事を追っかけている農家と言われているよ。逆にダメな農家を駄農と言うが、そういう農家は仕事に追っかけられる。」と、のんびり話し続ける農家さん。

農家ってこんなに余裕があるのかと単純に考える私に、農家さんは否定も説教もしません。

私の言葉をそのまま受け止めています。

「農業は辛いものだと言われるけど、良い面もあるのですね。」と、私の期待は高まります。

「そうだよ、農業ってよく考えてみれば、植物、動物、気象、土壌学、機械など勉強しることはいっぱいあるなぁ。経済学も勉強しなければいけないなぁ。」と、農家さんは楽しそうです。

「農業には普通の人の2、3日分の濃さがあるような気がする。」と言い出す私に、

「お金のことを抜きにすれば、素晴らしい仕事だね、農業は。」と、農家さんは強調します。

「本当にお金のことを抜きにすれば皆がやりたがるような気がしますね。」

私は謎を解いたように納得しています。

「歳をとって家庭菜園とか田舎で農業をするという話を聞くが、本来、土と人間は深い関係があると思う。だけど経営は大変だから、農家の子どもはそうした大人たちの大変さを見たり聞いたりして、農家は大変だなぁと敬遠するんだな。」農家さんは話を続けます。

「アジア系の人は農耕民族だから、種まいて育てるのは得意だと思う。ヨーロッパの人は狩猟民族だから少し違うかもしれないがなぁ。お金の心配さえなければ、農業って皆に合っているよ。

でも、日本はこのまま行けば食糧難になる。その時に、自分の国の農業を潰すことは出来ないと皆が気付くよ。 」

それから農家さんは食糧問題に触れました。 「いま日本でカボチャが足りないとする。でも輸入したらいくらでも入ってくるから、誰も心配していない。だが、作っている所で災害とか作れなくなる条件があった場合、カボチャは世界に無くなってしまう。だから、韓国や東南アジアではもう一度、米を見直そうと田んぼに力を入れる流れが出てきているんだよ。」

そして、 「きっと無農薬や有機栽培のものはどの農家でも手軽に出来るようになると思う。 安全を意識しなくても、安全な野菜ぐらい普通に食べられるようになるのは夢ではないよ。」と、農家さんの農業に対する思いが溢れていました。

【学校で働く栄養士さん、調理師さん】

「今、大人はしっかりと日本の農業を見つめていかないと、ドイツ、フランス、アメリカの奴隷になるのではないか」と、ある学校の栄養士は言い切りました。

「日本は今も、アメリカから種を買っている。種はアメリカに占められているのが現状です。例えば、いま種が100円で買えるが、将来は1000円じゃないと売れないと言われたらどうしますか。今の便利さをとるか、日本の農業を大事にしていって、値段は少し高くても日本の農業をとるのか。選び方によっては、これからの人たちは大変になると思います。商社が安全な食べ物を供給してくれるとしても、日本の小さな農家を残していく努力は必要なのです。」

農業経営に商社や多国籍企業が参入できるようになるのでその対応策について、学校栄養士はこのように説明していました。

「日本の食材は高いが、しかし私たちは一食230円 で工夫して作っています。」 と、学校現場で日々子供の健康を願い、おいしい給食を作っている調理師の方々も胸を張り答えたのです。

【消費者たちの声】

「あなたたち偉いわねぇ!高校生なのに。本当に感動しましたよ。私たちも絶対にあなたたちのことを皆に話すね。若いのに本当に関心しました。」 ある産直センターで、消費者の方はこう叫び私たちに拍手を送ったのです。そこに集まっていた消費者は、低農薬や有機栽培の野菜に関心の高い人たちです。そして日本の農業に危機感を募らせ口々に言いました。

「日本は7千万人分 の食糧を外国に頼っている状況だから、まるで外国に命を預けたようなものね。消費者が賢くならなければいけないですねぇ。自分の目と耳を使って勉強しなければ危ないですよ。」

「産直のものは安心して食べられるのがいい。だからお金は少しくらい高くても気にしません。」

消費者は、命を守り育てる食べ物として、食品の安全性こそが最も大切なことだと強調したのです。

農家さん達が現在の農業事情を語れば、これほど説得力のあるものはありません。だからこそ、農業は私の進路に大きく影響しました。私は高校を卒業すると農業を学びました。 そして今、農業は私の仕事になっています。農業で土の感触の心地よさを知り、トマトの収穫で汗を流して働いた後の充実感は、遠い昔の祖先が私たち日本人に残してくれたものです。私は一人でも多くの方が日本の農業に関心を持ち続けて、応援団になってくれることを願います。

f:id:nacyupa:20180908181612j:plain

【野菜と畜産品を安く作る】

①「えひめAI(えひめあい)」を使う。

野菜を安く作るためには、お金のかかる肥料と農薬を減らすのが一番です。「えひめAI」とは愛媛県の産業試験研究所が発明した、まさに発明した画期的な発酵液のことで、特許もとらず無料公開しているありがたい土壌改良材です。本来、発酵時に酸素の好き嫌いがあり同時には発酵できないといわれていた、乳酸菌、納豆菌、酵母菌をまとめて発酵させてくれます。

(作り方)

➖材料➖ ブルガリアヨーグルト:400g 納豆:20粒 ドライイースト:40g 砂糖:500g 湯冷まし:9リットルぐらい 注意:納豆菌はとにかく強い菌なので、多くても20粒。

➖使用器具➖ ミキサー かき混ぜ棒 熱帯魚用ヒーター pH試験紙 注意:使用器具は出来るものは熱湯消毒する。

⑴ヨーグルト、納豆、ドライイースト、砂糖を計り、湯冷ましを少し入れてミキサーで3分混ぜる。 ⑵漬物樽に移し、残りの湯冷ましも入れ、ヒーター設定35度で1週間培養する。漬物樽は熱湯消毒済みを使用。 ⑶pH3〜4であれば『完成』。 ⑷完成品1リットル、ドライイースト40g、砂糖500g、湯冷まし9リットルを熱湯殺菌済みの漬物樽に入れ、ヒーター設定35度で1週間培養する。 ⑸pH3〜4であれば繰り返し使える『えひめAI完成』。

②野菜には海水、松葉、落ち葉、米ぬかなどの安く手に入る資材を利用する。

③畜産には栗の渋皮、米ぬか、食品製造業で出る野菜のクズなどの安く手に入る資材を利用する。

④もらえる補助金はもらう。

「農業の学校を卒業して農業関係の職場に就職するだけで二年間で300万円もらえる?」と聞いたときは、この人気取りのバラマキ政策を考えた民主党に腹が立った。 同時期の6次産業プロジェクトで、農業と加工と販売まで一貫して行える企業には補助金を出して応援するというバラマキ政策もあったが、成功した企業が少なすぎるだろ。

f:id:nacyupa:20180908200231j:plain

【売り方】

①安売りせずに知名度を上げる。

茨城県はメロンを夕張に出荷して、「夕張メロン」として売っている。茨城県のメロンのブランド力が育っていないからだ。

「極」はJA茨城旭村メロンの1%にも満たない糖度18度以上を誇る究極のメロン。見た目は変わらないが光センサー選別によって糖度も熟度も究極のメロン。この中身で勝負する「極」だが、外側のネット(模様)が悪いと捨て値で販売。私なら半額で買い手を探します。

②販売営業に下ネタ、宗教、政治の話はNG。

もちろん、自社商品の他社と比べた魅力を言えるのは大事です。しかし、下ネタ、宗教、政治の話はNGです。また、信頼を勝ち取るためには、時間を守る、お金の約束は守るという基本も大切です。自分の癖も見直したほあうがいいです。

私が最近気になる営業さんの癖は、都合の悪い話になると鼻や口から息を吐くこと。フッと聞こえて良い気分はしません。

高橋一生のように人付き合いは上手くやった方がいいです。スーパーマーケットは増え続け、消費人口は減り続けています。一カ所で売れる数が減るので取引相手は増やしていくことになります。営業で狙うのは、すでに偉い店長クラスではなく、自分と一緒にこれから伸びていく各店舗バイヤークラス。店長はそのうち定年退職を迎えていなくなります。

③誰に売るのか、売り先を決めてから商品を作った方がいい。

最後になります。 6次産業プロジェクトで加工、販売までを勧められることが多いです。この場合、一般的には最高に美味い加工製品を作り、スーパーマーケットや直売所に営業をして売ってもらいます。 成功させるためには、考え方が逆です。

どんな品目の加工品なら補助金の対象になるか、役場に聞きにいきます。次に、直売所やスーパーマーケットのバイヤーさんたちに、どんな商品なら扱いたいか聞きにいきます。試作品ができたら、聞いた相手に持っていって食べてもらい、意見や改善案を聞きます。これを繰り返すことで、『加工製品が完成したときには売り先も決まっている状況』を用意します。自分が携わって愛着の湧く加工製品なので、役場の職員さん、直売所やスーパーマーケットのバイヤーさんは頑張って売ってくれます。

売り先を巻き込んだ商品開発は大事です。農家としては安全で美味しい野菜、畜産品を目指したがりますが、売り先の意見は大切です。たとえ食品添加物が不使用の安全な加工商品でも、すぐにカビてしまい食べた子供が食中毒ということになれば安全とはいえません。

【最後まで読んでいただき『ありがとうございます』】

私が感動したのは、農業とは少し離れますが陶芸家さんの話です。茨城県には陶炎祭(ひまつり)という陶芸家さんのビックイベントがあります。ここでは大きな陶器市が開かれ、全国から30万人が来場します。この陶芸家さんは、自分が作った陶器ではお客の求める値段よりも高いため、お客の買いたくなる商品を考えます。それがいま陶炎祭で大行列ができる「ほうばピザ」です。ピザ作りと陶器作りは生地をこねる作業が似ているそうです。陶器にこだわらず、売れるならピザも作る自由な考え方は見習いたいです。